*この記事は、後日に「改訂版:今ならこれで対策する」を出してます。
*この記事と同内容の動画
こんにちは!
逆転の数学、講師の中村です。
先日、数学検定1級の2次試験もクリアできたこと、動画にて報告させて頂きました。
その中で、「数学検定1級の総括をしてほしい」というコメントがありました。
前回は「特に後悔した3点」をまとめました。
今回は「今ならこの教材で対策する」です。
「もう一度ゼロからの状態でチャレンジする立場になったら、こうするだろうな。」
という形で、ここにまとめておきます。
もちろん合う教材、合わない教材は人によって違います。
あくまでも個人的な意見で、参考書の優劣を決める目的は一切ないことを、最初にご了承願います。
まず前提として。
当然、高校数学Ⅲまでのレベルは押さえておく必要があります。
目安としては数検準1級がわかりやすいと思います。
あとここで紹介するのは、大学数学を学んだことがない人の、完全独学のためのものです。
また当然、数検1級の傾向が今後変われば、ここで紹介する方法が使えない可能性もあります。
では1次試験からです。
1次試験は、パターン学習です。
問題を見て、やり方をパッと思い浮かべて、スピードと精度の両方を大切にして、解く必要があります。
そのために、どちらかと言えば復習型の勉強をします。
「自分の頭を使ってウンウン悩む」ことよりも、「やり方を知り、練習して叩き込む」ことに重点を置きます。
今またゼロの状態からチャレンジするとしたら、次の参考書や問題集を使用します。
・マセマ線形代数(演習も)
・意味がわかる線形代数
・マセマ微分積分(演習も)
・マセマ確率統計(講義4まで)
・マセマ複素関数(講義2まで)
・やさしく学べる微分方程式
・大学数学の計算問題
・過去問集の発見&ネットなどで過去問を1問でも多くテスト練習
*いずれも証明は無視する
完全独学なので、必要な基礎問題がわかりやすく体系的にまとめられているマセマは外せないです。
また線形代数や微積では、「演習編にしか載っていないのに、数検1級で必要だった問題」もあったので、演習編も使います。
線形代数は、マセマだけではイメージが湧きづらかったので、「意味がわかる線形代数」も読みます。
確率統計は、1次試験で必要なのは、マセマの講義4までで大丈夫かなという印象です。
複素関数は、講義2まででもいいかなと。
複素関数のメインの1つは留数定理だと思いますが、結局僕は、数検1級で1度も留数定理は使いませんでしたから。
微分方程式については、マセマより「やさしく学べる微分方程式」を使います。
こっちの方が自分には合いましたし、数検1級レベルも十分に対応できましたから。
また1次だけのことを考えるなら、全ての問題集で、証明問題や証明過程は無視します。
以上で基礎を徹底したら、あとは実践です。
まず「大学数学の計算問題」。
これは絶対に数検1級を意識して作ってると思います。
合同式や高次方程式など、大学数学じゃないのに数検1級に頻出の問題が掲載されてますから。
基礎固めをした後に、これで実践すれば、かなり力をつけてくれます。
そして何といっても、過去問。
発見やネットで手に入るものを、1問でも多くテスト練習します。
制限時間60分にして、捨てる問題の判断や見直しもして、完全にテストと同じ形式で何度も繰り返し練習します。
何度も間違える問題は、復習ツールにまとめます。
で本番直前まで、復習を繰り返します。
以上が、またゼロからチャレンジする立場になった時の、一次対策です。
次に二次試験の対策。
二次試験は、どちらかと言えば予習型の勉強をします。
「すぐに答えを見て、やり方をつかむ」よりも、「自分の頭を使ってウンウン悩む」ことに重点を置きます。
ただ統計だけは別です。
統計は、直近の過去問と新しい発見に限れば、5パターンしかありませんでした。
しかも同じパターンが2度出題されていることもありました。
ので、その統計5パターンは、1次試験と同様にパターン学習をします。
それで1点取ることができれば、あとは3問中1.5点で合格です。
だからこそ確実に得点源にします。
ということで、またゼロからチャレンジする立場になったら、次の教材を使います。
・マセマ確率統計(講義5~講義8)
・過去問集の発見&過去問を1問でも多くテスト練習(1回でも多く試験を受ける)
・徹底攻略確率統計(類題で補強)
・1次対策で飛ばした証明問題
・公式などを導く過程の理解と練習
マセマ確率統計の後半で、統計と検定の基礎をしっかり固めます。
で、その後すぐに発見や過去問に早速取り組みます。
ただ二次試験の過去問はネットでは見つけられなかったので、過去問集の発見が重宝されます。
また新たにチャレンジする立場になって、直帰のテストが1か月以内で不合格確実でも、受けにいきます。
自分が実際に受けて落ちた試験の回の問題も重宝できるからです。
問題と答えをもらいに行く感覚です。
「徹底攻略確率統計」は1からやる、というより。
過去問などで見つかった類題を補強するという感じで使います。
この問題集のおかげで、統計を得点源にできる自信がつきました。
あとは1次試験で使った参考書や問題集です。
証明問題や証明過程は全部飛ばしましたが、二次では証明技能を見られる問題が多いです。
ので、1次の勉強で飛ばした証明問題や、公式などを導く過程を、理解練習します。
以上が、またゼロからチャレンジする立場になった時の、二次対策です。
繰り返しになりますが、これはあくまでも、今の傾向に合わせた勉強法です。
当然、回を重ねるごとに傾向が変わっていく可能性もあります。
ので「受かるまで毎回受験し続ける」ことこそ、当たり前ですが一番の対策になると思います。
「今回は簡単だった!」
ラッキーな回に巡り合えるかもしれないですしね。
ということで前回と今回にわたり、「特に後悔した3点」と「今ならこの教材で対策する」を紹介しました。
これにて数学検定1級の総括、終わります。
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